• まかせて安心 行政書士事務所 | 静岡市

クーリング・オフはどのような制度?

誰でも一度は聞き覚えのある言葉だと思います。 Cooling Off すなわち、冷静に考えて契約から離れる、という意味だそうです。クーリング・オフとは、訪問販売や電話による勧誘販売などで、いったん申込みの契約をした場合や、契約の締結をした後でも、その契約を消費者が再考できるようにして、その結果一定の期間内であれば無条件で契約の申込みを撤回したり、解除したりすることができる制度です。上記の一定期間については、申込書面又は契約書面を受け取った日から8日以内(連鎖販売取引や業務提供誘引販売取引は20日以内)と法律で定められています。

クーリング・オフをするには

書面を発送する日、または電磁的記録を送信する日が、申込書面または契約書面を受け取った日から8日以内(連鎖販売取引や業務提供誘引販売取引は20日以内)にあたるかを確認します。
書面を発送する場合は、内容証明郵便か書留郵便で販売業者に「申し込みの撤回・解除の意思」を通知します。購入した商品があり、送り返すときには、発送の費用はすべて先方負担(料金受取人払い)で処理します。また、クーリング・オフを行った場合でも、損害賠償金や違約金を支払う必要はありません。代金を支払い済みであっても、全額が返ってきます。対象となる取引の契約書類や領収書等の書類は、必ず手元に保管しておくことが大事です。

クーリング・オフができる取引(特定商取引法の6形態)

期間の取扱い等

期間の起算は、「申込書面」または「法定書面(契約書)」を実際に受け取った日(いずれか早い方)を1日目として開始します。法定書面を受け取っていないときは、契約書を受け取るまではクーリング・オフが可能です。なお、契約書面が消費者に渡されていても、書面が法律で定める要件を欠く場合(クーリング・オフできることの記載が無かった、又は商品等に関する記載に不備がある等)には、記載の期間が過ぎていても、クーリング・オフすることが可能です。

電話勧誘販売においては、電話勧誘の段階では契約締結まで至らず、契約の申込みにとどまる場合があります。例えば、「まだ契約の締結までは行かないけれど、詳細が分かるような資料を送ってください」という会話の内容だったときです。販売業者等は購入者に申込段階での内容を確認してもらうため、申込の内容を記載した書面の交付が義務付けられています。この書面の交付は、クーリング・オフすることができなくなるまでの8日間の起算点でもあります。販売業者は、この場合遅滞なく(3日~4日以内)、取引条件等を記載した「取引条件を明らかにした書面」を交付する義務を負っています。

クーリング・オフができない場合もある

・現金取引で契約金額が3,000円未満の取引
・化粧品や合成洗剤などの消耗品を一部でも使った場合(一部例外があります)
・自動車を購入する場合
・通信販売で購入した場合 ※

※通信販売の場合には、クーリング・オフ制度はありません。返品の可否や条件について特約がある場合には、その特約の内容に従うことになります。特約がない場合には、商品を受け取った日を含めて8日以内であれば返品することが可能ですが、商品の返品費用は消費者が負担しなければなりません。

電磁的記録での取扱い

2023年6月の法改正により、クーリング・オフは従来の「書面」に加え、電磁的記録でも行えるようになりました。電磁的記録とは電子メールのほか、USBメモリ等の記録媒体の交付、事業者が自社のウェブサイトに設ける専用フォームなどが当てはまります。電磁的記録で行う場合は、契約書面をよく確認のうえ、通知先や具体的な通知方法が記載されているときは、それに則り通知する必要があります。通知後は送信したEメールや専用フォームなどの画面のスクリーンショットを保存しておくことが重要です。

まとめ

クーリング・オフの手続きは、期間内に確実に通知することが重要です。そして、その通知は対象となる契約を特定するために必要な情報(契約年月日、契約者名、購入商品名、契約金額等)および通知を発した日を記載しなければなりません。
確実に相手先に通知し、通知内容を保全するためには、内容証明郵便で通知することが大事です。契約の相手方や契約した特約の内容によっては、内容証明郵便を選択することをお勧めします。
このようなことでお困りでしたら、ぜひ当事務所までご相談ください。


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