• まかせて安心 行政書士事務所 | 静岡市

戸籍とは

明治時代(明治5年)に初めて戸籍ができました。江戸時代の人別帳や宗門帳を踏襲した家の登録制度であり、戸主(家の長)を筆頭者として、その家族を記載したものが「戸籍」です。

戸籍がある場所を本籍といい、戸籍は各市区町村の戸籍係に登録されています。住民と密接な関係にある市区町村に申し出ることで、戸籍の写し(いわゆる謄本)という証明書を取ることができます。この請求は郵便で請求することも可能です。郵便局で手数料分の「小為替」を用意のうえ、返信用の封筒とともに所定の請求書等を封書で本籍地の市区町村役場に送れば、遠隔地でも送ってもらえます。
戸籍謄本を取る必要性は、婚姻関係、親子関係の確認や証明のために相続手続で使うことが多いと思います。

昔は、会社に就職する際の必要提出書類にも戸籍謄本は入っており、皆さん会社に提出していた時期がありました。しかし、いまは個人情報やプライバシーの保護において、門地がセンシティブ情報に指定され、本人や法的関係者および請求することについて正当な理由のある者しか請求することができなくなりました。

戸籍謄本等の広域交付制度

令和6年3月1日に戸籍法が改正され、「戸籍謄本等の広域交付制度」が開始されました。
引っ越しや結婚等により本籍を移動したことがあると、複数の役所から戸籍を集める必要があり、戸籍を集めるだけで大変な労力が掛かります。特に相続人を調べるときは、亡くなった方の現在地の役所で最新の戸籍謄本等を入手し、亡くなった方が出生時に登録されたときの親の戸籍までさかのぼり収集します。転籍した役所をまわって集めるか、又は現在から過去に向かって確認しながら順番に請求するため、時間がかかるのが常となっています。
しかし、この広域交付制度では、戸籍情報がオンラインデータ化されていれば、本籍地以外の戸籍謄本が全国どこの市区町村役場でも取得できるという、大変便利な制度です。

ただし、いくつか利用制限があります。
(1)原則、本人による窓口請求(委任状も使えません)
(2)郵送での請求はできない
(3)代理人(含む親族)による請求はできない
(4)第三者による請求はできない(弁護士、行政書士等の有資格者もできない)
(5)取得できる戸籍は、本人、配偶者、直系尊属(父母等)、直系卑属(子や孫等)に限定される

(5)については、死亡した被相続人(例:夫)の兄弟姉妹の戸籍は、子供がなく両親も亡くなっている亡夫の妻からすれば、広域交付制度は対象外のため利用できません(直系に限られる)。
加えて、亡夫の異母兄弟の有無を確認する必要があり、そのためには亡夫の父および母それぞれの出生時からの戸籍謄本も入手する必要があります。
亡夫の妻が相続手続きで必要な戸籍謄本を入手する場合は、亡夫の兄弟姉妹の戸籍を管理している役所に出向くか、郵送によって入手しなければなりません。また、亡夫の両親の戸籍はさかのぼりながら集めていくことになります。

以上のように、必要な戸籍を集める作業は、思っていたよりも大変な作業になります。お金も掛かりますが特に時間が掛かります。面倒な手続きであることは間違いないと思います。
お困りの際は、当事務所にお気軽にご相談ください。


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