• まかせて安心 行政書士事務所 | 静岡市

終活とは、「人生の終わりのための活動」を指す言葉だそうです。私の認識では、就職活動の略称である「就活」とは明確に違う言葉であるけれど、随分と世間一般で多用されている流行り言葉のひとつくらいの印象で捉えていました。

丹羽宇一郎氏の著書「老いた今だから」 (講談社現代新書)には、"人生の終盤を「老後」と意識して生きている動物は人間だけです。(中略)せっかく人間だけにある「老後」を、無目的にラクなことばかりに費やすのは、じつにもったいない話です。のちのち後悔しかねません。"という一文があります。
自分の老後の人生をいかに楽しく充実して過ごすかは、とても大事なテーマです。また、それが必然的に人生の終わりのための活動にも重なってきます。現実的に考えていくと時間や健康・体力の制約だけでなく、やりたいことに費やすお金の問題もあります。そうなると、人生の残りの期間に見合う「自分のやるべきこと」は何なのか?というテーマが重要になってきます。
でも、人それぞれにテーマやライフワークは千差万別であり、おいしいものを色々と味わってみたい、行ったことのない場所に行きたい、もう一度興味のあるテーマを勉強してみたいとか、数え上げればきりがありません。
こうやって考えると、「終活」という言葉は捉えどころのない大きなテーマであって、すごく重みのある言葉にも聞こえてきます。

一方で、行政書士の仕事から見ると、「終活」はエンディングノートの作成や遺言書の作成という業務に関わってきます。民法という法律の第960条(遺言の方式)では、「遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。」と定めています。遺言は、自分の死んだ後に効力を発生させるために書き残す意思表示のことで、それを書き残すときには、法律の形式に則っていなければ効果が生じないことに注意が必要です。なお、遺言を書き残すか、または、残さないかは、人それぞれであり自由に決めることができます。

少なくとも日本の法律では、人が死亡したときには、その人のすべての権利や義務(負担や債務)、または法的な地位を、特定の人がまとめて承継することが相続であると規定しています。積極財産(プラスの財産)や消極財産(マイナスの財産)がどうなっているかは、誰でも大まかには把握されていることと思います。
それらの状況を鑑みて、相続人の間で揉めそうなのか、又は揉めないのか。それとも、遺産を相続人にきちんと割り当てたいのか、それとも残された相続人全員で話し合って決めればよいのか…
もし、何らかの理由で遺言を残した方がよいという考えが自分の気持ちの中で強ければ、今後の時間・体調や体力等も振り返って、自分の意思が明確に表示できるときに、歩を進めてみたらどうでしょう!
ご協力できるなら、サポートをさせていただきます


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